ソロル投下場

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恵霧さん (8t75voii)2023/8/16 07:58 (No.69427)削除
【ルーくんのソロル/ちょいR/注意】

┈┈┈┈┈┈┈┈

ふわりふわりと翼を揺らして
細い指先を銀色のポールに触れて舞う
ピンク色のネオンライトが色白肌を柔らかく桃色に染めて
透けてしまいそうな程に薄い布で包まれた華奢な身体を晒す。
興奮しながら己に刺さる視線は翼が集めるものなのか…
薄い布から浮き出る華奢ながらも柔らかな身体のものなのか…
自分にはもう分からない

瞳と口元を隠すために2枚に別れたフェイスベールの奥から客にチラリと目配せする
奥にある瞳に僅かな怯えが含まれてると誰が気付くのだろうか
美しく甘い香りを広げる翼の持ち主が自尊心を満たし削りながら舞っていると誰が気付くのだろうか

妖美な音色を奏でる機械から音が止まればソッと去る
ソレで自分の時間は終わる
だがコレは普段ならば、何も無ければの話

┈┈┈┈┈┈┈┈

『“テリー”、チップだ』
「…今行くから待っててよ。」

チップを渡すとサインする客が居れば己が帰る時間は刻々と遅れる
少しばかりの重たいため息を飲み込んでから営業スマイル…いや、ボイスでボーイに返した
可愛らしく“チップ”なんて言ってるが…実際は金の分だけ触らせると言ったサービス行為だ

踊るだけなら普通に働くよりもちょっと良いくらいの給料止まりだが…チップの有無で笑ってしまう程に給料は跳ね上がる
多翼族の身体はそれほどまでに貴重だから…店側がそれくらい金を取るのだ
そんな裏話なんて彼は知る由もないんだが…

『“テリー”ちゃん、待ってたよ。』

未だにこの仕事をする時に貰ったこの名は慣れない
だけどソレを表に出しちゃいけない
まるで己の本名を呼ばれたように反応しないといけない

「今日もありがと」

とは言え営業ボイスが素っ気なくなるのは避けられなかった
見るからにブランド物の服で…豊かさを表現するには時代遅れな肉を包み笑う客の相手が汚く感じたから

『そんなに遠くに居ないで。ほら、もっとこっちに来なよ。』

きっと優しくしてくれてるのだろう
己も相手が落としたチップ程にはサービスをしないといけないのに…無意識に少しばかりの距離を置いた位置に座ってしまっている

「その距離からでも触れるだろ?」

己の肩甲骨から伸びる翼を一翼だけ客に伸ばす
サービスの範囲はダンサーが決められる
時にはソレで物足りなさを訴える輩が居て…範囲を広げる子も少なくは無いが彼はそれをしない
初めて此処で働いてからずっと翼しか許してない

『テリーちゃんはつれないなぁ。』

残念そうにため息を吐かれても近寄りたくないものは近寄りたくないんだ
薄布を纏った身体で誰かに触られるなんて考えたくもないし…本当なら翼も触られたくない
此処で働き出してからで言ったら翼こそ触られたくないのが本音なのに…

『そんな所も可愛いんだけどさ。』
「ん…痛くしないでよ?僕の美しい翼に傷とか付けたりしたら出禁にして貰うから。」

客はそんな気持ちを感じ取ってくれない
丁寧に羽繕いした翼の柔らかさに触れて
羽の付け根をなぞり
小翼羽に触れて己の体温を味わう

『いつも優しく撫でてるんだから大丈夫だって。』

その触り方も笑い方も…何もかもが気色悪くて…
フェイスベールでも隠しきれない程に眉を寄せて不快を表した
相手の掌の温度が小翼羽から小雨覆に移動すると肩が跳ねて背中を反らせる
逃げたい
今すぐ逃げたい

「…そこはヤダッ///」
『ダメな所は触って無いよ。』
「…ッ///」

なんで翼を触らせる事をNGにしなかったんだと過去の自分を恨む
自尊心も何も無かった己はボーイや店長の押しに上手く抵抗出来ずに翼だけならと首を縦に振ってしまった…そこが間違いだった
フェイスベール諸共口を覆って…肩羽をなぞる刺激のせいで漏れる声を懸命に抑える

『ココを触ってる時のテリーちゃんが可愛くてね、チップも安く感じるよ。』

チップを出す客の大半が強い刺激に赤面して必死に声を抑える自分を眺めに来てる
其れが嫌で嫌で堪らないのに…自分は此処以外の働き場所をしらない
もう嫌だと店長に駄々を捏ねた日だってあった
でも多翼を受け入れる店なんて無いって
何があっても絶対に守るからって
酷い事はさせないからって
なんだかんだと言いくるめられてる

「ンぅ…ッ…ぁッ…ンッ///」

自分のこんな声なんて聞きたくない
耳を塞いだせいで僅かに漏れ出た声が相手の興奮を煽ったのを悟ったから再度口を抑える
荒い息が背後から聞こえてくれば…恐怖のせいで後ろも見れない
早く時間が過ぎれば良いのに…涙が滲んだ視界が時計を見ても時は残酷な進みを映すばかりだ

『テリーちゃん、かけていいよね?』
「ッ嫌だ!」

相手の問いかけが何を意味してるのかなんて知りたくもない
知りたくもないけど絶対にされたくない事だから即座に拒否をする
その声が震えてるのを知ってもお構い無しに荒い息と振動を翼が伝えるんだから…客の大半は頭のおかしい人間なのだろう

┈┈┈┈┈┈┈┈

だらしない身体も嫌い
見せびらかすように着てるブランド物の服も嫌い
鼻につくほどの香水の臭いも嫌い
翼の感度が拾うほどの振動も汗ばんだ手も荒い息も全部全部大嫌い

客が吐精を意味する言葉を口にした瞬間に翼を閉じた
恐る恐る後ろを振り向けば下半身の衣服を少しばかりはだけさせてる客とソファに飛び散る白い液体
もし翼を閉じるのが僅かにでも遅れていたら…ソファではなくて…

「…も、もう終わり!時間だから!!」

一瞬喉に声が詰まった
悲鳴を出せればどれほどにスッキリしただろうか…
急いでソファから降りて扉を開けて外に出て…ボーイに飛びつく

「掃除してッ早くッもう時間でしょッ帰りたいッ」

泣いてるのか怒鳴ってるのか…もう自分の感情が分からない
そんな声で命令してはボーイを後にして店長の元に走った

┈┈┈┈┈┈┈┈

何もかもが汚く感じる
ダンサーを食い物にするような建物もピンク色の室内灯も客もボーイも店長も
それこそこんな場所から逃げる意思すら削られた自分自身も

『そんなに勢い良く扉を開けなくても…』
「うるさい!僕は美しく出来てたから良いだろ!」

唯一普通の部屋とも言える部屋は店長が金を清算する部屋だ
柔らかそうな椅子に腰を沈めながら今日の売上を確認する男を後目に…隅に置かれた柔らかく大きなクマのぬいぐるみに飛び込む
見るからに事務室とも呼べる部屋に相応しくない大きなぬいぐるみは客が違うダンサーに送ったものらしい
中にカメラが仕込んであったから回収して…中にあった異物を除去したのがコレ
泣きそうな時に毎回飛び込んでるから己の甘い匂いがたんまりと染み付いている
そのせいで寝具程では無いにしろ落ち着くのだ

『給料日じゃないのに毎回来て…他の子が来たら驚くだろ?』
「…ごめんなさい…」

落ち着いたせいか店長の声が少し怖く感じる
素直に謝りはするけどココがこの店で唯一落ち着ける場所だから…この逃げ込み癖はきっと直せない…

『テリー、落ち着いたら着替えて帰るんだよ』
「…分かってる…」

クマのぬいぐるみに抱き締められるように包まれながら会話をした
先程のサービスが時折フラッシュバックして身体が震える
好きでも無い相手に触られて発情されてるのが…不快を通り越して恐怖になってた

「…僕この仕事辞めたいよ…」
『他に働きたい場所見つけたの?』
「…そうじゃないけど…」

もはやこの部屋に来たら必ずするやり取り
言われる事は分かってるのに…何度も繰り返してしまう

『…ルーくん。生きるのってね、すっごい大変なんだよ。』
『それこそ働きたくても働けない人なんて沢山居てね』
『お金が無いって人はもっと大変な仕事するし、なんなら死ぬ事だってあるんだ』

つらつらと並べられるものは自分が比較的安全に働けてると臭わす発言ばかり

『他に働きたい場所があるのなら店長だって応援出来るよ』
『でも新しい場所を見つけるのって凄く大変だと思うんだよね』

知ってる
分かってる
生きるのが大変な事くらい

『それに…特徴的な個性を持つ子は働ける場所も限られてるんだよ。世の中は適材適所で回ってるんだから。』
『ルーくんの翼は凄く魅力的なんだ、それは働いてて気付けたでしょ?』

「…うん…」

実際此処で働いてて…やっと生きてても良いって自信を持てた
飛べない翼を持つ奴なんて…己の個性を上手く使えない奴なんて…多くの人間が求めてない

『ルーくんが居てくれてうちは助かってる。だからルーくんのNGが多くても俺は受け入れてるし、客も認めてるんだ。ルーくんに居て欲しいからだよ。』
「…ごめんなさい…」
『謝らなくて良いよ。ルーくんは怖くなっちゃっただけだもんね。』
「…うん…」
『いつもありがとうね。』
「…うん…」

他を知らないからこそ…なんだかんだで言いくるめられる
知識があれば違う場所と言う選択肢を知れる
でも彼にはそんな知識も無ければ…仕事が辛いなんて弱音を吐ける人間なんていない
だからこその…この有様だ

「…帰る…」
『うん、また明日も頑張れる?』
「…頑張れる…」
『分かった。お疲れ様。』

早く帰ってシャワーを浴びたい
ぬいぐるみから離れて力無く部屋から出ていく
自分は此処でしか居場所が無い
美しいから…あんな事をしたくなるのも理解しないといけない
自分は美しいから許せるし、美しいから必要とされる
だから大丈夫
まだ大丈夫

┈┈┈┈┈┈┈┈

帰って直ぐにシャワーを浴びるのはもう癖だ
翼を丁寧に洗って…乾かして…羽繕いしてから寝たい
最高に綺麗な状態で…
未だ羽繕いも出来てない状態で共有ルームまで登れば…仕事の疲れか分からないけどソファに吸い込まれた

身体が重たい
ちょっとだけ仮眠を取りたいんだ
すぐ起きるなら大丈夫だろうか
我儘だろうか
此処の人達なら許してくれるだろうか

そんな思いを頭に浮かべたのも束の間
うつらうつらと夢の中に
きっと許してくれるだろうな
此処の人達は僕が凄く汚いのを知らないから
綺麗な翼でもふもふと丸くなって
小さくなって
このシェアハウスに甘えるように
僅かばかりの睡眠を…どうか許して…
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夕日さん (8t5n78zj)2023/8/16 00:18 (No.69415)削除
「俺、....約束通り、お前らバカ野郎共の墓....作っといてやったよ...」



『お!ルドルフじゃねぇか!今日も女引っ掛けようだなんてことしてねぇよなぁ!?(と、ルドルフの同僚である彼は当時女たらしであったルドルフを心配しているようでしていないような物言いで言っていた)』

「んだよ、アダム...俺がそんなことするわけねぇだろ?ほら、さっさと寮に戻らねぇと...また上官にシバかれんぞ?んじゃあ、俺は先行ってるからな!(と、バカにしたような口調で同僚であるアダムに対して、また怒られんぞ〜?wというように、一目散に寮に向かって走っていく....後ろを振り向くと、アダムも着いていくかのように走ってきていた....)」

そして、寮に無事着いたものの...上官が何やらブチギレており....ルドルフとアダムはボコボコにされて、いつものトレーニングを繰り返し×1000をしろと言われたので夜通しやり続けた.....そして、翌朝...

「はぁっ....はぁ...ったく、お前のせいで俺も喰らう羽目になったじゃねぇか!!(と、怒りを顕にした態度で、アダムに対して文句を言い始める....自分の責任なのに...)」

『は、はぁ!?てめぇ、!!何逆ギレしてんだよォ!!!ふざけんじゃねぇぞ、この女たらしが!(と、逆ギレしてきたのでマジでコイツムカつく野郎だなぁ!?と思ったので、こちらも怒りを露わにして、喧嘩をおっぱじめやがった....)』

そして、外で騒いで殴り合いの喧嘩をしていた、とても幼稚でしょうもないものだが...その二人にとってはとんでもない怒りがフツフツと湧き上がっていたので10人がかりで、2人を押さえ付けた...完全な迷惑行為と見たのか....1週間の罰を与え...毎日のドギツイトレーニングを上官から用意されたのでそれを朝昼晩やれとのことだった......そして、そのトレーニングをやり終わり、いつも通りの日常を送っているところに...とある通達が...

『おい、お前ら...手紙が届いたぞ....俺が読むぞ...(そうして、上官はペラっと手紙の封を開けて、畳んであった紙を全て開くと....)んええっとぉ....?来年の10月25日....敵国との戦争が決まった....!?んんっ...それまでに経験を積み、演習などをして来年までに備えてくれだそうだ....これは、俺も初めて知ったことだ....今日からもう街には行くな、分かったな?(と、全体に言うと上官は部屋から出ていった....)』

そんなことを急に言われてもというように室内はザワザワと静かにはならずに、どういうことだよ!と納得行かない者、やってやると決意する者....、終わった....と絶望する者もいたくらいだ.....その中でルドルフは決意する者であった....そして演習の日...

『ルドルフ....俺が合図をしたら、...いいな?(と、彼の名前はケイン...同期の中で優秀な成績を収めている指揮官タイプだ...対してルドルフはというと成績は中間らへんだが、戦闘については彼の手に掛かるやつなんていないくらいだ....、彼の指の合図で持っているもので、他のチームに攻撃を仕掛けるというもので...ケインの指示はとても的確で、残るはケイン率いるDチーム残るは...ルドルフのライバルであるウィリアム率いるAチームだった....)』

そうして、ケインが合図をした....少し経って、結果はギリギリ...Aチームが勝ったが...両チームともとても良い動きだったので、MVPはDチームのルドルフとAチームのアダムが選ばれ、賞賛された....そうして、決戦の日...戦場へと派遣された...ルドルフ、アダム、ケイン、ウィリアム含む他の軍人達も戦場へと派遣された....その数数万人以上だ...敵国も同じくらいなので、フェアではある.....そして、物陰に身を潜めて...誰かが銃を撃ち...誰かが撃たれたところで勃発した....次々と仲間が殺されていく中...ルドルフは....

「...死ねぇぇぇ!!!(と、敵国の陣地に突っ込むや否やナイフやライフルなどで...敵を何十人もぶっ殺していく....スナイパーライフルで撃たれてもその存在に気付き、腕でその弾丸を受け止めるくらいでその様は正に鬼のようであった....たまに蹴り一発で、殺した時もあったが念の為にライフルで一発頭にぶち込んだ....そうして、進めていく中....仲間の1人がやられ散っていった....)」

『ッ!?ルドルフ危ない...ッ!!(と、ルドルフを安全なところまで押し飛ばして、自分はランチャーの餌食になり...肉片が飛び散り、血も跡形もなく、消えていったが...右腕だけルドルフのところ飛んできて、それを...保管した...。....彼の最後の言葉はルドルフを守る為の言葉だった....)』

「嘘だ.....、嘘だろ!なぁ!!嘘だって言ってくれよ...アダム!(かつて、喧嘩もした....酒も飲み交わした...あのバカがいなくなった....ルドルフの目からは涙が止まらないでいたが...その怒りを敵国の軍人に発散することで、自分の強さにしていた....そうして、次の餌食になったのは...」

『ぐあ''ッ!?かはっ....クソッ...、はぁ...あば、よ...ルドルフ...(と、脳と心臓ををスナイパーライフルで確実に仕留められたのは、そう...ケインだった....あの、ルドルフを指揮できた...指揮官候補だったあのケインがたったの二発で死んでしまったのだ...)』

「....ふざけるんじゃぁねぇぞ!!!ド畜生共がァ!!!!(と、ケインもやられて、もう頭がどうにかなりそうだと思いながら....ランチャーを奪い、戦車に向かって撃ったり....殴り一撃で頭蓋骨を叩き割って血を吹き出させるといったとんでもない力を見せてみせた....そうしてケインの死から1時間が経ち...)」

『へっ.....この俺が、地雷を踏んで....足が無くなるとはなぁ....はっ...終わった...n...(と、最後の言葉を言う前にライフルで連射されぶち殺された....その犠牲者はウィリアム....ルドルフのライバルであり良き友だった訳だが....ここでルドルフに託すかのように手に何かの物を持って死んで行った...)』

「ウィリアム.....お前の大事なものこの俺が継承したぜ....(と、首にペンダントを掛けて涙を一雫また一雫と零しながら敵国の軍人を射殺や斬殺、撲殺などをしてぶち殺していった....」

そして、戦争開始から一週間ほど経ち...戦争が終わった...結果は....敗北だ、負けたのだ....残ったのはルドルフと他数十名の指揮グループとルドルフが居た突撃班だけだった....そして、もう一週間が経ち...とても大きな木の下にルドルフはいた....

「お前ら、バカ野郎共の墓....約束通り作ってやったよ....(と、両手を合わせて...供養をする...戦争前に話していたのだ、この中で1人だけでも生き残ったら墓を作って供養してくれと....すぐ死ぬと思っていたのに....右目を撃たれて、失明したってのに....右腕も吹っ飛ばされたのに、何で俺が生き残るんだよ!と...ない右腕付近を抑えながら、膝から崩れ落ちて...歯を食いしばって悔しがるように涙を流す....)なぁ、お前ら!そっちで飲む酒は美味いかよ....!!!俺はお前らの分まで生きてやるからな!だから俺はもう死ぬまで酒を飲まねぇ!!そっち行ったらたらふく飲んでやるから!待ってろよ!!馬鹿野郎どもが!!(と、涙を流しながらも必死に笑顔を作り...天高いところにいるお前らに向かって言ったのだ...)」

そうして、数年経った....右腕のところは鉄製の義手でとても高性能だった....目の部分は治せなくて黒い眼帯で隠すように言われて...隠し始めた....戦争も終わり、何もかもが無くなった...ある決意をした、世界を見て回りたいと思い...徒歩で、世界を回り始めた...海を使うところは船を使った...極力空は使いたくなかったからだ....そうして、歳がもう60後半になった時にとある路地裏にはいると...ある噂について聞いたのだ...ここの近くにシェアハウスをやっているところがあると...そういえば人生で一回もやったことはなかったので、悔いが残らないようにその家を探した...一週間が経って諦めようとした時に、大きな家を見つけた...ここかのぉ?と思い....大きな扉を開けて中に入って行った....。
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夕日さん (8t5n78zj)2023/8/14 00:37 (No.69258)削除
とある日の夜...自室で実験をしている途中...少し眠くなってしまったのか、共有ルームに来て少しエナジードリンクを冷やしていたのでそれを手に持って、スタスタと階段を登って自分の自室へと戻っていく.....少し何時間か経って....

「んにゃあァ〜〜〜〜〜!!!つっかれたにゃあ!はぁ、誰でもいいから頭撫でて欲しいにゃあ、!!まぁ、いいにゃ..…それにしてもこの実験...んんッ...難しいにゃんねぇ...(と、残り一つだけ材料がなくて、あらかじめ調べていたものを、気になるものを書き留めているノートを眺めたりしていたりしているが、ページ数が多いのか、今日は諦めようと思って....実験では火を使うのでそれを消して、あとは片付けずに寝てしまう...)」

そして、翌朝………実験道具はカタカタと騒ぎ出し、何かの化学反応が起きてしまったのか...バッと布団から起き上がると...そんなことになっていたので……

「んにゃあァ!?まずいにゃ!!1回これを入れて鎮静化にゃ!!(と、材料を少し足して鎮静化を図ると...無事揺れが止まりふぅっと一息ついていると....昨日のノートをペラッペラッと開いて.....その材料があるかどうかを見ると、それが無かったので少し探しに行くために一週間ほど...家を空けた...)」

そして、1週間後....後々の悲劇に気付くこともなく自室に戻ってきて見た目が似ている別の物を持ってきてしまいこれを入れるだけでだいぶ変わってしまうので少し、間違っていないか...心配だがその材料を机の上に置いて...疲れたのでベッドに横たわってそのまま眠ってしまう....そして、翌朝.....起きると...実験材料が其の儘置いてある事を確認すると、地下に行くと、自分が苦手とするシャワー室に行きパッと済まして早く終わらせる.....そして、し終えた後は不機嫌な顔になりながらもしょうがないと思っている為、ため息をつきながら...自室へと戻っていく...そして白衣を羽織...メガネを付ける....そして実験器具を取り出して火をつけると...少し沸騰するまで待っている...

「ん"にゃあ………さてと、これにゃんね...(ポンっと入れると、少し嫌な予感がして...ブクブクと泡が出てきていて、温度も高音になっていて...)何なのにゃ!?まずいまずいにゃ!?(と、少し大きな音がなり液体が全て煙状になると、シェアハウス内全体に漂い始める....悠月はというとハンカチで鼻元と口元を抑えて...1時間ほどかけて、煙を全て消し去ると....)はぁ、まずいにゃんね....これ多分幼児退行薬(ロリショタ化)になったものが煙になってここ全体に広がったぽいにゃんね....幸い、一時的なものになったのは良かったにゃ.....(もし、そのままにしたのだったら、年数を掛けて、元の姿に戻るしか方法はなかったので.....煙を消し去ることが出来たのは良かったと安堵しているが、これは管理人さんに怒られてしまうにゃとあわあわしてしまうのだった....)」
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さん (8tte3yn4)2023/8/12 14:13 (No.69139)削除
「僕、ちっちゃいものならなんでも好きなんだよねぇ。」
貰い物の小さな人形たちを抱えて、呟いた。


両親のことを、別に憎んだり殺したいとは思っていない。
忙しいのは何時も見ていたし、1人でも寂しいと感じないから。
「レフ様、もう寝る時間過ぎていますよ。いつまで人形で遊んでいるんですか…」
「ん〜…ぐんじんもあそんで。」
駄目です。と言ってベットまで連れていかれる。
別に寝なくても平気なのに…


「人形も僕らと同じように夢を見るのです。眠る時間を奪うのは、悪い事ですよ。」
「そうなの?じゃあ、僕もねないとねぇ。」
貴方は悪い事をしたらいけない。と軍人はよく言った。
…まるで僕の両親が悪者みたいな言い方が嫌で、
別の表現をしてほしいな、とただ待ち続ける。


軍人が作ってくれた人形を、1人では広すぎる部屋で動かし続けて。
「おとうさまもぐんじんもいそがしいから、僕とあそぶ時間なんてないよねぇ。」
最近帰ってくる時間が遅いな、と考えつつも1人で時間を潰した。

大輪の向日葵はいらない。

王子らしい行動を見せるだけで、ただの駒である僕と何故か増え続ける向日葵も。
貴方達に見せる為にある物じゃ無い。
「あ、おと、う、さま…」
「…ここと、ここだな。大きい建物を作るならここくらいしかない。」
いくら話しても無視されるなら、話しても無視されない人形に話しかける。
この人形たちだけが信頼できる友達だから。
友達を奪うのは、傷付けるのだけは…

「僕がまもるからねぇ。だいじょうぶ、君たちは安心してねてて良いからねぇ。」

嫌うならもっと完璧に嫌ってほしい。中立が一番困るから。
貴方達のようにわかりやすく、行動に移してくれれば僕は嫌われてることを自覚するから。
人生を強制的に終わらせることだけしなければ良い。
無理にその衝動を抑えないで。

「僕は王子に向いていないよねぇ。」

人形を玉座に座らせて、まるで自分が人形のように振る舞って。
きっと君の方が向いているんだろうな、と苦笑する。
いくら神様に祈っても、君たちと話すことは叶わない願いだとわかっている。
それでも祈り続けるのは、この国で育った所為だろうか。

大輪の向日葵はいらない、と呟く。
1人だけの空間で胡座をかいていても、誰も見てくれないんだ。


成人してから少し増えた、家族との行動。かなり大きいダンスパーティーに呼ばれて、
軍人に踊り方やマナーを嬉々として教えてもらいに行くくらいには嬉しかった。
「…レフ様、何かありましたか?」
「ん?ダンスパーティーに呼ばれたから教えてもらいに来たんだよねぇ。」
「それは知ってます…その、あれ…?」
軍人は僕がダンスパーティーに行くようになってから、帰りがもっと遅くなっていた。
そして、日々おかしくなっていた。


「今日は絵画の話です!」
「…いつにも増して元気だねぇ。」
「僕は美術品が大好きなので!最近博物館に飾られた絵画の話なのですが…」
軍人の帰りが最近遅いのは、お父様に連れられて博物館を見学しているかららしい。
僕はまだ自由に部屋から出る事も許されないのに、軍人が許されるのは
お父様のお気に入りだからだろうか?

…また、1人の時間が増えた。
軍人がお父様の愚痴を吐き出し捨てることも咎められなくなってきて。
その顔で笑わないでよ、人の親を罵倒しないでよ。
でも助けてくれるのは何時も軍人だけで…
嗚呼、歪みそうだ。


もっと完璧に空想に潜り込まないと。人形のように1人でも。
既に壊れて向日葵になった僕を、今更助けようなんて考えないでほしい。
その罵倒が、僕にも刺さる。忘れたくても忘れられないほど脳髄に擦り込まれて。

酷く幼稚で空っぽの空想を、拭っても拭っても拭いきれない。
あまりにも心に刺さりすぎたその言葉は、どうやって忘れれば良いの?
貴方達が投げ付けるガラクタは1つも僕には届いていない。

「…なは〜。今日も平和だねぇ。」

燃える国を眺めながら、貴方達が焼ける姿を見ていた。
独り言しか話さなくなった僕の言語は、ブリキの人形が発する
錆びついたただの音になっていた。


あなたは自分がどんな王になると思いますか?
…未来の話はわからないよ。
あなたはどんな王になりたいですか?
…お父様と、お母様が望んでいる王になりたい。
あなたは王になりたいのですか?
…あ、当たり前でしょ?王族として生まれたんだから…
あなたは王に向いていますか?
…向いて、ない。と思うけど…
なぜあなたは抵抗しないのですか?
…………い…
なぜあなたは自分から動けないのですか?
…う……い…
なぜあなたは植物なのですか?
…う、るさい…
なぜあなたは人を助けようとするのですか?
…うるさい…
なぜあなたは絵画を恨まないのですか?
…五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!
なぜあなたは普通じゃないのですか?
…違う!普通だ、僕は人形で、みんなが動かしてくれてる…
どうしてあの子を殺さないのですか?
…もう誰かが傷付くのは見たくないんだ!だから、僕の存在理由を否定しないでよ…!!

大人は嫌いだ。
「お願いだから、これ以上壊さないで…!」
どうして自分より弱い物を狙うんだよ!?

ずっと僕だけを嫌って。
そんな小さい子に酷いことをしないで。まだ未来がある子達に。
傷付くのならば、僕だけで良いから。

「…レフ。」
「あ、はは…自分の無力が嫌になるねぇ。いくら、たすけようとしても…」
「行こう、レフ。」
壊れた人形を抱えて泣く。
救える目の前にある命は全て救いたいのに。

「ほら、絵画の子は救えたじゃん。俺たちも逃げよう。」
1人だけじゃ、国民全てを救えそうにない。
「…うん。」
やっぱり王様は向いていないよ。
涙は止まりそうにない。


「あれ、帝ちゃん。どうしたの?」
「…先月、鉱山を頂いたので。お礼です。」
丁寧に包装された袋を開けると、中からはいつもつけているループタイに
宝石のブローチが付いていた。
「わあ…綺麗な宝石だねぇ、ループタイになってるんだねぇ。」
「シトリンです。意味は…ご自分で調べてください。」
赤色を見ると泣いてしまう絵画の子。作らないでも良かったのに。
そっぽを向いてしまった彼女に、無理をさせてしまったな…と後悔する。

「優しいねぇ帝ちゃん。僕のこと嫌いなのに。」
「…別に、私は貴方のことを嫌ってはいません。ただ苦手です。」
「なは〜、ごめんねぇ。」
「すぐ謝るのやめてください。」


彼女の衝動を、いつか完璧に抑えることが出来たら。
…また皇も入れて3人で遊ぼうね。


「…少しは、マシになれば良いけど。」
「ん?帝ちゃん何か言った?」
「いいえ何も。向日葵また咲いてますよ。」
「なは〜!?」


彼女の王族嫌いは、最初に出会ったときよりかは良くなっている。
僕も彼女のように国民を救えるだろうか?

元曲「プロトディスコ(ぬめり様)」
さん (8tte3yn4)2023/8/12 14:31削除
向日葵の花言葉:あなただけを見つめる
大輪の向日葵の花言葉:偽りの愛
シトリンの石言葉:繁栄、成功、富、幸福、希望
シトリンの持つパワー:「太陽のエネルギー」
          ネガティブなエネルギーから守ってくれる。
          浄化作用があり、心を明るく照らす効果がある。
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返信1
匿名さん (8truulxx)2023/8/11 12:26 (No.69026)削除
「怒っている声は苦手なんだ…嗚呼、でも怒りたいときは怒って。」
我慢することは、辛いから。

いつも両親は、俺のことで喧嘩するんだ。
金運を上げる力があるのに、どうしてお金が減るんだ〜って。おかしいよね。
金運を上げることしか出来ないのに、何もしないならお金は増えないでしょ?
人生ってそんな楽じゃないし。

「お前は俺が稼いだ金をなんだと思っているんだ!?」
「うるさい、声が聞こえないじゃない。黙ってて。」
「ッ…!!ああ、そうかい、勝手にしろ!」
イライラしている両親を見ていると、いつも
離婚するんじゃないかと不安になる。

もちろん覚悟はしているけど、まだ家族でしたいことは
たくさんあるから。
近くの街で物乞いしているときに能力を使って、
そのお金と父の働いた分の給料で家族の関係を保っていた。


「ごめんな。あいつの分まで稼いでもらって。」
「だいじょうぶ。お金持ちがいっぱいくれたよ。」
「…借金を全部返せたら、ちゃんとお礼しような。」
「わかった、またクッキー焼こうね!」
そうだな、と笑う父。
俺は両親の笑顔が大好きだ。
だから、

今は父の愛情と笑顔だけで我慢するよ。
母の笑顔を見るために、いくらでも稼ぐから。
父と両手を重ねても、母がいないなら何も感じない。
常にお金にしか興味がない母は、水を欲しがる魚のよう。
しかし、興味があるものに向ける顔は美しいのだ。
「君たちはわからないだろうけど。」
遊びだらける同年代を、睨んで吐き捨てた。


え、Vチューバーはいつ始めたのかって?
…聞いて何になるの?というか、君…
いいから話せって?
…まあ、そこまで言うなら


最初は、母のパソコンから聞こえてきた爆音で知った。
音量MAXで流れていたから止めようとしたとき、
間違えてVチューバーの新規募集をしている広告に触れたんだ。
母がお金をよく使っているVチューバーは凄い、個性的な見た目をしていた。
向いてないんじゃないってくらいに好き嫌いが分かれる声だし、
自己愛性が強い人だった。
だけど、

その姿を見て俺も憧れた。母はこの人に愛情と笑顔を捧げていることが、
羨ましくて妬ましかった。いや、別に気にしてはいない…
それから事務所まで行って、Vチューバーを始めたんだ。
社長さんが俺の声を気に入ったみたいで、機材と部屋は無料でくれた。
常に愛に飢えている俺は、暑さで死んだ魚のよう。
しかし、新しい世界は美しかった。
「君は…分かってるの?」
目の前に座る君に、尋ねる。


…君はどこまで聞きたいの?
今日はレフの話までで良いって?…また聞きに来るのか…
良いよ、話す。もう君が誰だかわかったよ。
…拗ねるな拗ねるな、話すよ?


活動してからは、すぐに有名になった。
父にはちゃんと事務所で働くことを伝え、最初は許可してくれなかったけど
無理しないことを約束して許可を得た。
稼ぐから、家で見ていて。そう言えば泣いて応援してくれた。

両手に包丁を持った俺のファンが事務所に不法侵入してきて、
「なんで私の愛を受け取ってくれないの!?」
と言われて刺されそうになった。
まるで真夏でも生き続ける深海魚のよう。
しかし、
「なは〜、お二人さんこんばんは〜。」
向日葵の方が美しいだろう。

いきなり扉を開いて入ってきた蝶々の仮面をつけた少年に驚き、俺もファンも固まっていると
少年の背中側から蔦が伸びてきてファンを拘束した。
ファンは拘束されて意識が戻ったらしく、暴れて抵抗しているが全く解けなかった。
結局警察が来るまでファンを拘束してくれた。
警察は、少年を見るとすぐに敬礼をしていてお礼の言葉を述べていた。
ファンが手錠をかけられた後、少年はすぐに俺に駆け寄ってきた。


「ごめんねぇ、もう少しはやく来れたらよかったんだけど…」
怖かったよねぇ、ごめんねぇ。そう言って泣いている少年を改めて見ると、
テレビで見たことがある顔で驚く。
「えっと、もしかして…レフ様…!?」

泣いていた少年は不思議そうに蝶々の仮面を取る。仮面の下に隠れていた
澄んだ空のような目に、思わず声が出てしまった。
雲一つ無い澄んだ空。今までで一番の幸福を感じた。

「わあ、僕のこと知ってるんだねぇ。」
「え、え?レフ様は、どうしてここに…?おうぞくですよね…!?」
「レフで良いよ、かたくるしいのは仕事のときだけにしてねぇ。」
「あ、はい…じゃなくて!なんでレフがここに!?」

君切り替え早いねぇ。と微笑む少年…いや、王子。
確か、かなり西の方に国はあるはずだが…と考えていると、
いきなりポンッと音がした。
慌てて音のした方向を向くと、王子の頭に向日葵が咲いていた。

「ひ、ひまわり…?」
「なは〜ごめんねぇ。かんがえごとしてたんだよねぇ。」
こいつら昔の事を考えるとすぐに咲くんだ。と苦笑いする王子。
頭に咲いている向日葵が、なんだかよく似合っている。
「レフ、似合うねひまわり。」
「…そう?頭にひまわりが咲くなんて、こわくない?」
光を浴びる向日葵は、王子の性格をよく表している。
怖くないよ、と伝えるとどうやら照れたみたいで、王子の目線が泳いでいる。
貴方は俺にとっての光だ。

「…何笑ってるの、見せ物じゃないんだけどねぇ。」
「ふふ、助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。僕そろそろ帰るけど、来る?」

来る?と聞かれて首を傾げる。王子の国に来るかどうか、ということだろうが…
「え、まず俺そんな遠くまで行くお金がないよ?」
「それくらい出すけど?」
「は?お金大事、わかる?俺なんかに使うな。」
「じゃあ、来ない?ファンにじゅーしょとくてーされたのに、移動しない?」

クッ、流石王子…口では勝てそうにない。
でも両親が何と言うか分からないし、気軽に国を移動するのは…
「…親に連絡してからで良い?」
「おけおけ、待ってるねぇ。」
…ということがあったんだけど、どうすれば良い?と父に聞くと、
好きに生きれば良い。今までずっと我慢させたから、自分で決めて良い。と
泣きながら言ってきた。
「あいつは、最近大人しいから。キツくなったら帰ってこいよ。」
「…うん。ありがとう、お父さん。」

少し離れた場所でトランペットを吹いていたレフに近付く。そして、
移動することを伝えた。
「…あれ、泣いてるの?ごめんねぇ、やっぱり寂しいよねぇ。」
「う、うるさい!バターフィナンシェの箱みたいな髪色しやがって!!」
「関係なくない?なんで髪色をばとーしたの今?」
そう言って連れていってもらったんだっけ。
懐かしい。馬鹿みたいな話で楽しんでいたな。

満足したか、俺。
…続きはまた聞かせて?知っているなら聞かなくても…
ああ、ごめんごめん。
また夜、頑張ろうなフォーチュン。


元曲 「ヒガン(John様)」
さん (8tte3yn4)2023/8/12 14:15削除
向日葵の花言葉:高貴、憧れ
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さん (8t73jmzt)2023/8/12 00:39 (No.69088)削除
__ペラ、ペラ。...ペラ。
静かな部屋に響くのは、大好きな恋愛小説の頁を捲る音だけ。
所々文字の印刷が薄くなってしまっていたりするのは、それだけこの本を繰り返し繰り返し読んだ証だろう。

何度読んでも素敵なお話。
愛し愛されて迎えるハッピーエンド、やっぱりこうでなくっちゃ。
本を閉じて余韻に浸りながら目を閉じると、子供の時の事をふと思い出した。

___十数年前、サキュバス達の暮らす小さな集落にて。

サキュバスとしての力の使い方、男性への効果的なアピールについて。
今思えば、幾らサキュバスと言えど年端もいかない女の子に教える事では無いと思う...まぁそれは一旦置いておいて、とにかく母からのレッスンを終えて私が一人遊んで居た時の事だ。

私は元から周りの同世代のサキュバス達に馴染めなかった。母もその事をとても心配していたけれど、当の本人である私は特に危機感を覚える訳でもなくて...だけど時々、私がもっと普通ならなんて、考える日が無かった訳じゃない。

丁度この日はちょっとセンチメンタルな気持ちになったからいつもより遠くへ出掛けたくなって...集落を抜けてすぐ、人間が多く暮らしている場所まで遊びに来ていた。

私達の住む集落と違い賑やかで、食べ物の匂いや人々の活気溢れる声に最初は圧倒された。
けれどどの人も笑顔で楽しそうで、気が付けば私も笑顔だった。

色々な初めて見るものだらけの空間に最初は目移りしっ放しだったけれど、ある瞬間、一際目を惹かれる二人の人間の姿を捉えて...私のこれ迄の人生は、ここで一変したのだ。

こんなに大勢の人間が居る中なのに、その二人はまるでこの世界には二人だけしか居ないなんて思わせるような、そんな眼差しでお互いを見詰めていた。

手を取り合って、囁き合って、笑い合って。
そんな二人の姿が、これまで見た何よりも、どの瞬間よりも美しいと私は思った。

手を取り合うのも、囁き合うのも、集落のサキュバス達は同じ事をしているけれど全然違う。
だってサキュバス達がするその行為は、全てその後の食事の為に行う下拵えのようなものだから。
彼女達には、人間は食事としか見えて居ないから。

もちろんサキュバスとしてその考え方は別に可笑しくなんて無い、寧ろ正常と言えるだろう。
だけど私はそうじゃない。もう、たったそれだけなんて風には見られる訳がない。

だって彼等は、こんなにも美しいんだから。

私も、あんな風に一人の女の子として誰かを愛してみたい。愛されてみたい。
サキュバスの力なんて使わなくても、あんな風に。

これが、今の私に繋がる原点。
集落に戻って、母や他の同世代の子にこの時の出来事を話した後は更に私に対する風当たりが強くなったけれど何にも辛くなんて無かった。
あの二人を見た時の胸の高鳴り、気持ち、その思い出さえあれば私は平気。

結局大人になっても変わらなかった私を仲間達は許してくれなかったけれど...だけど私、今とっても幸せよ。皆に感謝しているくらい。
こんな事を言うと少し嫌味に聞こえてしまいそうだけれど、本当に、心の底から。

今はただ、この幸せがいつまでも続きますようにと願っている。

どうか、どうか___。
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ゆずりはさん (8tcr3vkq)2023/8/12 00:13 (No.69084)削除
これが最後の
機会で言葉
なんかじゃない!




僕の言葉は、思った言葉にならなくて。
だから、明日の僕に伝えてもらおうと思って手紙を書こうと思ったんだけどね。
「漂ってる僕に、届ける先なんてないなぁ……」
……言葉にならない気持ちを、どうしようか。

「ねぇ、狐神。なりたくない自分になった気分はどうだ?」
「最悪の気分さ。見たらわかるでしょうに。」
指をさされながら、笑われたって。
「……役立たずに何言われたって、なんとも思わないさ。」
そう、自分に言い聞かせる。
そうじゃないと、僕は、とても……惨めだろう。

睨むように見て、そっぽを向いて。
小さな小さな空間に閉じこもる。
これが僕の、テロリズム。
いつだって、言ってきたじゃないか。
……それが間違いだったなら、さ。
「言葉」なんかより重たいもので…僕を、射抜いてみせて。

__そう、やられたら、やりかえしなよ。
「次は、僕の番。」
捨てた夢の全てを、取り戻せ!
心の居場所を賭けた戦いだから。
__笑われたなら、その分。笑い返しなよ。
「僕の番。」
これは、人生を捧げる為のクーデター。
それでも、この戦いには……
勝ちも、負けもない。だから、延長戦は続く。

___君のための、反撃前夜だよ。



「言葉にすれば何かが変わると思ってたんだ。恥ずかしげも、後ろめたさもなく。」
「征服なんて言い出したバカはどいつだと思う?」
「いやいや、そんなこと言う大バカ者は居ないよ。」
…………そんな、大バカ者は、いないさ…。

どんな生き方をしても、心一つ無い声は届いてくる。
それに怯えて、立てこもる。
それが、僕のテロリズム。
いつだって、僕は拒んできたんだ。
……もし、今見えるこの機会が、最後なら。
「こんな最悪な舞台なんて、御免だよ……」

__やられたなら、やり返せ。
「次こそ、僕の番。」
罵倒や野次の類なんて、無視をしろ!
心についた見えない傷から漏れ出た、救援信号(メーデー)。
__笑われたなら、その分笑い返せ。
これは、閉じこもった部屋の中で起きたインティファーダ。
だって、この戦いは。
兵士も、指揮もない。そんな、防衛戦。

___君の為の、君だけの革命前夜。



__ボロボロになったからなんだって言うんだ。
「だからこそ、取り返せ。」
__君の心は、君にしか扱えない。扱わせない。
「だって、この命は。」
命は、命であるから、輝くからこそ……!
「命、なんだろ…!」

転んだって、倒れたって、躓いたって、それは、それこそは………
「前に進もうとした証拠なんだよ…!」
だから、それを笑うなんて最低だ。


「……それでも、それでもやで。地球ってやつは、世界ってやつは回るんやろ?」
そうなんやろ?
誰か、答えてくれや。
……誰か、答えて…くれよ。
ゆずりはさん (8tcr3vkq)2023/8/12 00:13削除
元曲「テロル(Neru)」
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恵霧さん (8t75voii)2023/8/11 23:24 (No.69081)削除
【夜姫/ソロル】

母親と言うのは分かってた。姿形が違えど自分の母だと。後を追う対象だと分かってた。貴女の意図を汲み取れなくても追うべきだと本能が教えてくれた。でも貴女は違う。近くに寄れば避けて…触れれば噛み付こうとして…誘き寄せた魚を食され奪い合う…親子と呼ぶには残酷な関係を貴女と分かち合う。…貴女は酷く冷たい。

生きる為に離れる道を選ぶのは孤独と呼べるのだろうか。近くで光を灯す母から、それだけしか出来ぬ母から離れるのは深淵を漂う己からすれば…寂しく孤独だった。それが生きるのに必要なものでも寂しかった。

誘われた魚を食らい…時には聞こえる音を真似てみた。海に響くのは大きな音。自分の身体から響く音。他の音は混ざらない。伝わらなくても良い。違う音を混ぜたかった。彼女は返事が欲しかった。深淵で孤独を歌うのは…辛く寂しかったから。

上も下も分からない深淵を漂う。誘き寄せた魚を食らい、疲れれば眠る。波の音が揺らげば懸命に逃げる。自分より大きな生物に食べられてしまうから。噛まれたくない。食べられたくない。

張り付く魚を懸命に手で叩き追い払う。長い孤独が伝える唯一の刺激は恐ろしい。痛みは怖い。痛みは死。怪我をすれば食べられる。死んでしまう。怖い。寝てはいけない。深淵で眠るのは死を意味する。死にたくない。

ぼんやりと揺らぐ月明かりを初めて見た。肺に空気を初めて入れた。咳き込み目に涙が滲んだ。だけど初めて見る空は綺麗だった。彼女の髪と同じ色。暗いのに何処か明るい色。闇しかないと思っていた深淵の上に広がる“空”の名も、ソレに相応しい言葉も彼女は知らなかった。私はこの光が好き。

だから深淵には帰らない。
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夕日さん (8t5n78zj)2023/8/11 23:08 (No.69080)削除
「ね、ねぇ!父さん...母さん...弟は殴らないでよ、代わりに殴ってもいいから...!」

それを皮切りに地獄の日々が始まった...

『おいゴルァ!薫!!なんでこんなことも出来ねぇんだよ!!(と、薫の胸ぐらを掴み怒号を放ち、顔面をぶん殴り飛ばした...)』

『あなた、コイツら置いて何処か出掛けましょうよ...!(と、薫と弟を一瞬だがギロっと睨み付けた後、父親の腕に自分の腕を絡めさせて、家を後にした)』

「兄ちゃん...!だ、大丈夫....?手当てしないと...(と、救急箱を取り出して手当てをしようとしている)」

「やめろ、前にもあっただろ.....前手当てして...お前もぶん殴られただろうが...(前に手当てをして、弟もぶん殴られた事を覚えており、なので手当てをしないでいいと言う..)」

そうして、そういった後にいつも通り...兄ちゃんと一緒に遊ぼうかと言って...親が帰ってくる約2時間ずっと遊んで....そして、その後は自分達の寝室に逃げ込んで内側から鍵を閉める....その部屋の鍵は自分達が持っているので用意周到である....。
そして、次の日の夜...

『お前はここに入ってろよ!!(と、完全に密室の真っ暗な部屋に薫が放り込まれ、ガチャッと鍵を閉める...)』

『アンタね、ムカつくのよ!!毎回毎回、目障りでさァ!!(と、母親が弟に言い放ち、吸っていた煙草を弟の頬に押し付けて、火種を消す...)』

『ゴルァ!!泣くんじゃねぇよ!近所にバレんだろ!黙れ!!(と、父親が弟に対して、腹を蹴って、頬をぶん殴る...)』

「ングァッ!? 痛い!痛いよ....!兄ちゃん...!兄ちゃぁ"ぁ"ぁん!!(と、暫く泣き叫んだ後放り込まれた薫に向かって助けを求めるかのように、叫び散らかして...)」

「おい!出せよ!!ここから出せよ!!バカ野郎!!!(と、悲痛な叫びも虚しく無視され、ただ只管に弟の泣き叫ぶ声と両親の怒号を何も出来ずに聞いていた....)」 

そして、このままではまずいと思ったのか、両親がいない時に死ぬ思いで祖父母の家に連絡して...事情を説明して弟だけでも助けてくれと言って、急いできてくれたのか30分ほどで着き...一時的に弟は安全になったがその身代わりで薫が残った.....

『アンタちょっとこっち来なさい...(と、母親が薫を呼び付けて、頬に煙草の火種を押し付けて消して...灰皿に置いておく...)』

「ん"ッー?!?あ"っづい!?(と、顔を歪めて熱がって...)」

『(それを見た母親が、ブチッと血管が浮き出る程にイラついたのか...料理を作ろうとしていたのか、とんでもなく熱いフライパンを薫の顔面にジューっと焼かれているような音をたてて....)うるっさいわねぇ!!もっと熱いものでも顔面に食らっときなさい!!』

「ぐぁ"ぁぁ"!?あ"づ....いィ!?かあ"ざん"....や"めっ"....ェエ....(と、そうして彼の顔に大きな火傷痕が残されて、今は顔面に大きな変色した傷痕みたいなものが今でも残っている....)」

『あ"ぁ....ッ...っせぇなぁ!!せっかく寝てたのによォ!!!このクソガキがァ!!!(と、母親がフライパンで熱している時にそのフライパンを無理やり取って掴んで、そのフライパンで傷痕の方をぶん殴って、痛みを促進させる...その父親の顔はまるで狂気に満ち溢れているような、そして薫の血が親父の方に付いても特に気にすることも無く、ただ只管にぶん殴り続け....その気が収まるまで殴り続けていた...)』

そして、そんな壮絶な中学生活を送った彼は年月が経ち....高校に入学して、今までと同様地獄のような生活を送っていて、その間で少し犯罪を犯して、まともに就職出来ないまま無事卒業....当時幼稚園生だった弟は小6になっていて、...両親を半殺しにした後逃げ去るように、借りたばっかの賃貸のアパートに二人で住むように....お金はそこそこあったのか家具や電化製品を買い....弟は近くの中学に入学....そして俺は、裏社会に足を突っ込むことに....、度々前住んでいた家に来ていた、闇金の事務所に赴き...

「ざ、雑用でも...何でもいいので...ここで働かせて下さい...(と、土下座をしてスーツに身にまとった強面の屈強な男達に懇願するかのように....説得を試みていた...そうして、明らかに1番トップの野郎が此方にやってきて...)」

『...ックク...wwwwwwあの頃のガキが、ここまで成長して...頭下げて俺らに頼んでんだ...俺直々に、お前を歓迎するよ...明日から、頼むことがあるからまた明日来いよ...?(と、その土下座を見て感銘を受けたのか...最初に少し笑ってしまったが、椅子から立ち上がり、薫の方に近付いて、手を差し伸べそういった...)』

「えっ、....本当にありがとうございます.....!!!(と、顔上げて涙をボロボロと流しながら、また頭を何度も、何度も下げて感謝を言う....)」

その闇金事務所から、裏社会に足を踏み入れた....雑用から始まり、掃除やら...草木の手入れなどを2年間続けていると...会長から....取り立てに行ってもらうと言ってくれたので...作業服から黒スーツに身にまとい....サングラスを掛けて、借金を返済していないクズ共から金を返してもらい...、その中にもヤク中が混じっており...そいつは何度言っても無駄なので初めて殺人を犯してしまい、ソイツらはその家の中にあった金庫を破壊して金になるものを差し押さえということにして、その家を後にした....
少し年月が経ち25歳の頃...

「すみません、自分のやりたいことを見つけたので....今日をもって辞めさせて頂きます....まぁ、やりたいことって言っても...足を洗うつもりはありませんが....(と、深く頭を下げながら、ほかの野郎達は既に帰ったのか、会長と自分の2人きりで言いやすかったのだ...)」

『あぁ、分かった.....許可する、少し金が必要だろ、ちょっと待ってろ.....ほら、退職祝いだ...こんなん端金だ、持ってけ...(と、スーツケースに入った金を見せる...コイツ、貯金はあると思うがやろうとしてることが、金が必要な事だったので1500万円をくれてやった...。)』

「今までありがとうございました....(と、グッと涙を堪えて...スーツケースを受け取り...その事務所から後にして、家路に着く...家に着くと、弟は眠っており...金庫から500万を取り所持金が2000万円になり...置き手紙を置いて...1人で頑張れよというような内容の手紙だ...その家を後にして、自分のやりたいことを始めることにした...パソコンは持っていたので、それでとある取り引きを始める...)」

ある日、路地裏で麻薬の取り引きをしていると...警察にバレてしまった、誰かが告発したのだろうかそこにいたヤク中やヤクザ関係者が捕まり...俺だけってなり...ナイフを使って、警察を何人か殺しながら...その現場から走り去る...そして何処かの路地裏に入って逃げ惑って...途方に暮れていると、とある大きな家があり、そういえば..噂程度に感じ取っていたが、シェアハウスがここの周辺にあると聞いてそれかなと思い....その家の中に入って行った...。
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ゆずりはさん (8tcr3vkq)2023/8/11 02:06 (No.69002)削除
おかしくて、
かなしくて、
「また明日。」



「昨日の俺は、3世紀先からやってきた、なんて言ったらどうする?」
「もしかしたら、おひぃさんは。遠い未来の人だった、なんて言ったらどうする?」
しゅわしゅわと、炭酸の強い甘いソーダを飲んで。
手にした刀を、血を払って鞘に収めた。

「明日の天気は、晴れだって。」
「あぁ、でも。時々 が降るらしいよ。」
なんだか不思議な天気だね。なんて言ってみたら君は、青い傘を手に取って。「これで大丈夫です。」なんて言うからさ。
俺は笑いながら「そうだね」なんて言うんだ。

「神様なんて、存外その辺にいるんじゃねぇの。」
例えば、そこの信号の無効とか。
例えば、滞納した家賃の取り立てに来るとかさ。

「ねぇ、どうやって、アレ、壊そうか。」
考えたって、いい案は出ない。
そりゃそうか、3人寄っても知恵にはならない奴等ばかり。
「なぁ、聞いてるか?……聞いてるか!?」
さぁ、会議はもう一回…初めから!

「どんな手段を使ってもきっとさ。」
あの子の、変わらない心は壊せないんだよ、俺達じゃ。
「無力だなぁ。」

_そうかな?



「また嫌な事された?大丈夫、教えてよ。」
ねぇ、どうして頼ってくれないの?
君を守るって、言ってるのに。
「必要ありません」
なんて、悲しいことを言うの。

「あぁ、早く帰ろう。警察が、来る前に。」
全て、ダメにされてしまうから。
ほら、早く家に帰ろう。
……家に、帰ろう、?

「俺なんかからじゃ、嫌かもしれないけどさ。」
大好きな、大切な、可愛い君に。
夏が終わるような、そんな時に。
俺の大嫌いな、「その日暮らし」の日々を、あげるよ。
俺達の家族っていう、その日暮らしを。

「なぁ、どうやってアレ、壊そうか。」
やっぱり意見なんて出てこない。どんなによっても知恵にはならない集まりだから。
「おい、聞け…聞けよ!!?」
さぁ、会議はやっぱり初めから!

「家族なんて、兄弟みたいになったってきっとさ。」
あの子の、変わらない価値観は壊せないんだ、俺達なんかじゃ。
「虚しいなぁ。」

__本当に?



「酷いと思わないか?」
こんな結末なんて。
「やめて欲しいと思わないか?」
記録を消すなんて。
「お願いだ。」
君を守れる、臆病な俺に。
「……お願い、だから。」
振り向いて、笑って見せてくれ。


「なぁ、思うんだけど。心の替え方って……なんだと思う。」
隣にいる君に聞いてみたって、答えはわからない。でも、君は。
「疲れました。」
なんて言ってくるからさ、仕方が無いから抱えてあげよう。
さぁ、帰ろうか。

「なぁ、ミサイルってどうやったら壊れると思う?」
「……?突然変なことを言うのですね、紘兄。」

まぁ。
君のための、最強な兵器があったとしても、そんなものが無くったって。
「おひぃさんの気持ちぐらい、壊せなくてどうするんだよ、兄だろ俺は。」
それぐらい、やってやるさ。だから。

「またあした。」


_きっと、できるよ。
ゆずりはさん (8tcr3vkq)2023/8/11 02:07削除
元曲「ミサイルキラー(ただのCo)」
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